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「....何を言っているのです?」

低い、僕を責めるような響きを持つ声に体が震える。それでも先ほどの台詞を撤回する気はなかった。紅茶色から紅色に染まった....悪魔の本性を表し始めた瞳を見つめ返す。

だって、もう限界だから。

抱かれている時だって、いつもお前の瞳は冷めている。その瞳を見たくなくて、いつも目を逸らしていたことにきっとお前は気付いていない。
呼吸も衣服も乱れていない。いつも僕ばかり乱れている。好きなのも、苦しいのも、セバスチャンを想って悲しいのも、切なくなるのも。絶対に僕だけ。

ほら、今だって餌が自分に背いて離れていくのが気に入らないだけなんだろう?どうせ抱いたことも契約の一環、もしくは魂の味付けかつまみ食いなんだろう?
セバスチャンが僕と同類の想いを向けてくれるから、僕の台詞に怒ってるんじゃない。

「セバスチャン」
「....」
「....疲れた」

僕だけだ、という関係に。
いつもいつも、お前が頭から離れない。恋は盲目とはよく言ったもので、セバスチャンが絡むと冷静ではいられなくなる。自分が保てない。

「苦しいのも、もう飽きた」

届かないと分かりきった手を、何度伸ばした?セバスチャンは払い落としもしなければ、その手を取ることもなかった。ただ、無表情にその手を見つめているだけだった。
届かないと分かりきった想いを、何度伝えた?その度に返ってくるのは無関心だけだと思い知らされていたのに。

「....っ、お前は」

ほら、何も言わないのが答えじゃないか。
面白かったか?滑稽だっただろうな?脆弱な人間の子供が自分の事でもがき苦しみながら堕ちていくのを見ているのは。

「愛してくれたことなんて無かっただろう?」
(体だけでも繋げていたい。いつか、愛して欲しい)

そう思っていたのはそう昔では無いはずだ。
でも、体だけでもいいと思えるほど大人でもなかったし、何より想いが肥大しすぎた。
愛してくれると夢を見られるほど子供でもなくなってしまった。

「だから、終りにしよう」

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