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限界が近かった。




僕らが出逢って3年。
想いが通じて付き合いはじめて2ヶ月。



キスはしてくれる。僕もする。
抱きしめてくれる。僕もする。



「セバスチャン」
「何でしょうか、坊ちゃん」



夜会から帰るとき、車の中に漂う女物の香水の香り。
どこかのご婦人の移り香。
それも、毎回香りが違っている。

冷えた僕の指先は、セバスチャンに手を伸ばそうとして留まる。
冷えるのは、セバスチャンがどこかへ行ってしまうから。
僕を会場に残して、どこかのご婦人と。
僕の...男の身体と、女の身体では比べるまでもない。
体を繋げようとして迫った時も、やんわはぐらかされ、半ば強引に体をつなげた。
それも、一度だけだ。


(気づきたくなかった)


だって、セバスチャンが僕以外の人間と関係を持っていることが分かっても。
繋ぎとめておく術がなくても。

僕はセバスチャンを愛してしまっているのだから。
一方通行の想いに苦しめられるだけの日々に終止符を打とうとした。
これで忘れるんだって。



なのに。







どうして。







「...え」









「伯爵、あなたは妊娠されています」








ああ、神様はどれだけ僕が嫌いなんだろう。

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