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タイトルは確かに恋だった様からお借りしました。
ぬるい性描写ありです。






「っあ、ひぅっ…セバ、チャ……」

セバスチャンと身体を繋げるようになって半年程経っただろうか。
僕はずっとセバスチャンが好きだった。
ある夜、この想いを伝えたい衝動に駆られた僕は、就寝の準備を終え下がろうとしたセバスチャンに言ってしまったのだ。

『お前が好きだ、セバスチャン』

拒絶されるかもと思っていた。
拒絶してくれれば良かったのに。
誤魔化されるかもと思っていた。
誤魔化してくれれば良かったのに。

だって、セバスチャンはこう言って僕を押し倒したのだ。

『では、私と“このような事”をしてもいいと言うのですね、貴方は』

初めて抱かれたのは、この時だ。
乱暴ではなかったが優しくもなかったと記憶している。

ここで何となく察してもらえると思うが、僕たちは恋人ではない。
片方が思いを寄せていても、想い合っていなければそう呼ばないからだ。
そして、セバスチャンは僕のことを“契約者”位にしか思っていない。

(そろそろ、潮時かもしれないな…)

いい加減疲れたのだ。
叶うことのない想いを抱き続けて何になる?
これ以上期待などして傷つきたくない。

もう、これ以上は…。

不意に頬が冷えて、不審に思いそこに触れるとしっとりと濡れていた。
そしてようやく、自分は泣いているのだと気付く。

「…っふ、あははははは!」
「坊ちゃん?」

嗚呼、何てザマだ。
セバスチャンに何とも思われていなかったとしても、僕はセバスチャンへの想いを断つことなど出来ないのだろう。
想いが届くことはないのなら、せめて身体だけでも繋げていたい、なんて。

女々しい自分が嫌になる。

「何でもない。さっさと終わらせろ」
「…御意」

どうか、いつか。
セバスチャンに愛して貰うことが出来ればいい。


叶わぬ願いを押しやるように、目の前の快楽へ身を委ねた。

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無題
こちらの小説はとても、伝わります。シリーズ続編お待ちしてますね(*^^*)
すれ違いは相手を思って終わらそうとしたり、蜃気楼は、お気に入りです。
NONAME 2014/05/16(Fri)22:35:35 編集
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