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たままはなま様へ相互お礼小説

黒執事二期OVA [MAKING OF KUROSHITSUJI]のパロディです。
お話は9話撮影中。
微妙にクロアロ要素ありです。




『シエルはハンナによって、連続猟奇事件の犯人に仕立て上げられる。
そして、精神を病んでいるとして特別治療(薬液に浸けられる)にかけられ、クロードによってアロイスとシエルの2人の記憶を混ぜらてしまう。
復讐相手をセバスチャンだと勘違いしたシエルはセバスチャンに
「僕の前から姿を消せ!」と命令する』

「……坊ちゃん、大丈夫でしょうか」


この特別治療と称した拷問のシーンでは、スタントは使えなかったはずだが…。

台本を読みながら、セバスチャンはため息をつく。
視線は意識せずとも幼い恋人へ向いてしまう。

しかし、その恋人と目が合うこともなく、おまけにあからさまに背を向けられている。

いつもは凛としている背中も、心なしか元気がない。


(…もしかしなくても、一昨日のことが原因ですよね)


一昨日、二人は些細なことから喧嘩をしてしまった。

売り言葉に買い言葉、普段の嫌みな言い合いがエスカレートしてしまい、結局シエルは家を出てしまったのだ。

向かった先は案の定クロードとアロイスの家だったので心配はしていないが、昨日は二人とも撮影が別で、シエルは帰ってこなかったため話をすることもなかった。

どうも、シエルが絡むと冷静になることが出来ない…。


「セバスチャン!」


掛けられた声はアロイスのもの。
クロードの視線が突き刺さってはいるが、あえて無視しておく。


「何でしょうか、アロイスさん」
「うわ、わかってる癖によく言うよね~」
ホント、クソ性格悪いよ。


(…貴方も十分性格悪いですよ)

憎々しげにつぶやかれた言葉にも聞こえないフリ。


「でさ、いい加減シエルと仲直りしてくれない?」
「坊ちゃんは?」
「俺らの前ではいつも通りにしてるつもりなんだろうけど、あんなのシエルじゃないよ。ホント、シエルはセバスチャンがいないとダメダメなんだよね~」


それが聞こえていたのだろう。
シエルはチラリとこちらを見る。


(まあ、私もそろそろ限界ですしね…)


今まで、メールも電話もしていないのだ。

「わかりました。坊ちゃんがお世話になりました」
「わかればいいんだよ!」


そう言ってシエルの所へ駆けていくアロイス。
シエルと目が合うと、寂しそうに下を向いてしまう。
不安にさせているだろう、と思うとセバスチャンは申し訳なくなった。


セバスチャンが謝るタイミングを見計らっているうちに撮影はスタート。


『こんなに濡れて…意識を混濁させるため、薬液にでも浸けましたか?』
『……答えるべきでしょうか、旦那様』
『その必要はない』


クロードがシエルに何かを囁く。
これは仕事であることもわかっているのに、あんなにシエルに近づいているクロードにセバスチャンは嫉妬してしまう。


『ああ、わかっている』


その目にはうっすらと涙の膜が張っている。
しかし、表情には変化が無い。


『僕の前から…』


(姿を消せ、ですね。喧嘩をしたときも言われましたね…。演技とはいえ、もう一度言われるのはキツいです)


仕事が終わったら、タイミングなど関係なしに謝ろうと決め、セバスチャンは視線をシエルに戻す。


(…!?)


シエルの目からは、ポロポロと涙が…。


「…カットォ!」
「どうした、ファントムハイブ?大丈夫か?」


リチャードとエドワードがシエルに問いかける。
セバスチャンも慌ててシエルに駆け寄った。


「坊ちゃん、大丈…「触るな!」」


セバスチャンが声をかけると、シエルは大きく肩を震わせセバスチャンの手を払った。


「坊ちゃん?」
「すまない、少しだけ撮影を抜けさせてもらっても…」
「ああ、構わないが…おい、ファントムハイブ!」


エドワードが頷くと同時にシエルは部屋をを飛び出していった。
濡れたままでは風邪を引くというのに…。


「私が行ってきます」
「セバスチャン、タオルだ」
「…クロードさん、ありがとうございます」


クロードからタオルを受け取り、シエルを追って走り出した。

シエルのことだから、きっと撮影で使わない人気の無い所にいるだろうとあたりを付けて探していく。

大分奥まで進んだところで、すすり泣く声が聞こえてきた。


「…坊ちゃん?」
「! セバ…っ」


廊下の突き当たりで彫刻に隠れてうずくまるシエルにタオルをかけ、そのまま抱きしめる。


「坊ちゃん、申し訳ありませんでした」
「…いや、僕も悪かった。だから」
「いいえ、シエル。連絡もせず、申し訳ありませんでした」


さらに力を込めて抱きしめる。
すると、セバスチャンの腕の中でシエルが小さくつぶやく。

「…シエル、聞こえませんでした。もう一度「この馬鹿!何で僕が出て行ったのに何も言わないんだ!なぜ止めようとしない!」

「僕がいなくてもいいのかと思…っ」


最後まで言う前に唇を塞ぐ。

二日分、たっぷり味わってから唇を離す。
腫れた瞼にキスを落とす。


「…いなくてもいいだなんて、そんな訳ないでしょう?貴方は私の大切な人なんですから」
「ん…僕も、悪かった。思ってもいないことも言ってしまったし、その…すまない」


「僕の前から姿を消せ」と言ったことを気にしているのだろう。


「大丈夫ですよ、シエル。どんなことがあっても、貴方の前から姿を消したりしませんから」
「…絶対だぞ?」


「ええ。私は嘘はつきません」


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セバシエで切ない
アニメ二期終了後のお話で、死ネタ含みますので苦手な方はプラウザバックを。




僕は、目覚めるべきではなかった。

セバスチャンを見る度にそう思う。


何時もなら帰ってくる嫌みも。
僕を見る紅茶色の瞳も。
作られた笑顔だって。


僕を『シエル』と呼ぶ声も。
悪魔のくせに人間のような微笑みも。
僕を抱きしめた優しい腕も。



あの日から、見ることが出来ないまま。
あの日から、聞くことが出来ないまま。
あの日から、感じることが出来ないまま。



悪魔にまで身を堕とした僕に仕え続けるセバスチャンは、見ていて辛い。
それに。
僕とセバスチャンが思い合っていた、ことが。

事実なのに、幻のようで。

キスもしてくれない。
抱きしめてくれない。

名前も、坊ちゃんとすら、呼んでくれない。
僕を見てくれない。


「…っ、くぅ…」


どうして、僕は目覚めてしまったんだろう。




「…はぁ」


坊ちゃんを視界に入れる度に辛くなる。

悪魔に身を堕とすことを望んでいなかったあなたを思うが故。
貴方を守れなかった自分を呪う故。
接触を避けた。

嫌味の言い合いも。
隠す必要もなくなったオッドアイの瞳も。
たまに見せてくださった笑顔も。

見ることの無いまま、月日は流れていった。



(まさか、あの方を永遠に失うなんて、考えていなかったあの頃)



「…やっと見つけた」


ハンナの魔剣。
瓦礫に埋もれ、刃こぼれを起こしているソレは、僕の手の中で鈍く光を放っている。

僕の手で、この無意味な生を終わらせる。
僕の手で、セバスチャンを解放してやる。

それが、今僕に出来る唯一の…。


「最期…」


まさか、悪魔にまで身を堕とし、自らを手に掛けるとは思っていなかったあの頃。
セバスチャンの手によって、この生を終えると信じていた。

僕が死ねば、魂はあいつの元へ行くのだろうか?
ちゃんと、解放してやることが出来るのだろうか?


…とにかく、アイツの側にいる資格は無いんだ。


ガチャン、と音を立てる剣の切っ先を己の首へ向ける。

死ぬことは、人間だった頃から怖くはない。
ただ…。


(最期に、キスして、抱き締めて、あの笑顔を見て、嫌味を言って…)


最期に、恋人に触れてから…。


「ふっ、馬鹿馬鹿しい」


笑いながら、思いきり剣を突き立てた。






プツンと、何かが切れた気がした。

「?」

あたりを見渡すが、特に変わった様子はない。
まさかとは思うが、坊ちゃんに何かあったのだろうか?
気は進まないが、見てくるしかない。

坊ちゃんがいつもいる部屋の前まで来ると、血の臭いがした。
慌ててドアを開けると、そこには。


「…坊ちゃん!」


傍らには、魔剣。

その瞬間、全てを理解した。


「坊ちゃん、坊ちゃん!」
「セバ…チャ…?」


帰ってきた声に、少なからず安堵するが、このままでは坊ちゃんが消えてしまう。


「聞…て」
「坊ちゃん?」
「これ、で、…お前、自由だ……っ!ゲホッ!」
「坊ちゃん!」
「僕、もういらないから。ぜんぶ、」


坊ちゃんが話す度に、口から尋常ではない量の血が溢れ出す。


「もうやめてください!」
「…っ、僕は、人間として……お前、の、恋人として、望む魂で死にたかっ……」
「坊ちゃん!?」
「セバ…チャン…愛、してる」


最後のキスは、血の味がした。


唇が離れると、坊ちゃんはピクリとも動かなくなった。


「…坊ちゃん、何を言っているんです?何してるんですか、冗談…」


わかっているのだ。
もう、坊ちゃんはいないのだと。
坊ちゃんを追いつめてしまったのは、この私だと。


「貴方は、今でも私の恋人ですよ?私も、あなたを愛してます。ねえ、」





悪魔になった少年の魂も、それはそれは甘美だった。
しかし、少年は大きなミスを犯してしまった。


彼の身がどう変わってしまっても。


悪魔で執事の居場所が自分だったことに気づいていなかった。

それが、大きなミス……。

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先日に引き続き、セバシエtextサイト様一件ご案内です!


Chat Noir たままはなま様


Twitterでお願いしたところ、快く承諾してくださり… 。゚(´つω・`。)゚。ウレシナミダ
たままはなま様、本当にありがとうございます!
それに、たままはなま様のサイトに、ここのリンクを張っていただけるとのことで… 。゚(´つω・`。)゚。ウレシナミダ2


お礼に何か書きますので、よければリクエストください!
(お礼にもならないかもしれませんが(^_^;))


失礼しますm(_ _)m

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更新情報とは言えないかもしれませんが(^_^;)

先日、リンクを貼らせていただいた月の雫様のサイトに、このブログのリンクを張っていただきました!
ありがとうございます!


メールでもお伝えしましたが、こんな駄文でよければ何か書きますので!
よろしくお願いします!

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エイプリルフール設定です←今更(^_^;)
多分、甘い?セバシエです。
会話文メイン




「命令だ。今日、一度だけ僕に嘘をつけ」
「…ですが坊ちゃん「め、い、れ、い、だ」」


そんな会話をしたのが今朝のこと。
夕方。
庭を散歩していた主に近づいた。


「嘘は?」
「…契約ですので」
「ふん、つまらない奴だ」


…今、ですかね。


「坊ちゃん」
「何だ?」
「…別れてください」


もちろん嘘だ。
私がこの方を手放すわけがない。
すぐ嘘だとわかるだろう。
と、思っていたのだが…。


「そ、か。男同士、しかも悪魔と人間なんてむ無理があったんだよな」
「坊ちゃ「いいんだ。僕も、そろそろ、限界かなって、思って、たから…」


すとん、と。
坊ちゃんから表情が抜け落ちた。
なのに、声は今にも泣きそうに震えていて。
その震える声が、坊ちゃんの言葉が嘘だと告げていた。

嗚呼、少しからかうだけのつもりだったのに。

俯いてしまった坊ちゃんを抱きしめる。


「…申し訳ありません」
「っ、別に傷ついてなんか…「嘘ですあなたを手放すわけがない」」


腕の中から逃れようとしていた主が、ピタリと動きを止める。


「そ、なこと…嘘でも言うな!」
「坊ちゃん」
「確かに僕は嘘をつけと命令した!だけど、こんな…こんなっ!」


ぎゅっと、腰に抱きつかれる。


「…お前がいなくなると思ったら、怖かった」
「申し訳ありません。絶対に、お側を離れません」
「……当たり前だ。お前は僕の恋人なんだからな」

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